石田衣良さんと言えば「池袋ウエストゲートパーク」などの代表作がありますが、株式投資がテーマの小説も書いておられます。
それが「波のうえの魔術師」ですね。ドラマ「ビッグマネー! 〜浮世の沙汰は株しだい〜」の原作にでもあります。
ドラマの方は通して見たことありましたが原作は未読でいつか読んでみたいとは思っておりました。そうしたらブックオフでたまたま見つけたので買って参りました。
いや~面白かったですw
「波のうえの魔術師」の大筋とその感想!
「波のうえの魔術師」は初版は2003年で、舞台は1998年ですね。97~98年は山一証券や拓銀、長銀とかが潰れた金融危機の年でしたよね。
でも日経平均は14000円前後、為替は140円が高値で金融危機の割には高いですね。
波とは当然ながら相場の波です。 主人公が老相場師に見いだされ投資家として仕込まれ老人と因縁のある銀行の空売りで儲けると言うのが大筋です。
ジャンルとしては経済小説ですが、風説の流布で株価を下げて儲けただけですからね。倒産させてもいないし復讐劇とは違うと思います。
ドラマ「ビッグマネー! 〜浮世の沙汰は株しだい〜」の方は当然ながら原作を踏襲してますけどね。独自のキャラクターが出て来ますしストーリーもオリジナルな部分も多いです。
やはりドラマですからね。万人受けするためには路線の変更もやむを得ないと思います。
しかしその分、株の知識のある人間には微妙な面もありました。 でも「波のうえの魔術師」はわしら株クラが読んでも違和感ないと思います。
それと小塚老人の言葉が良いです。相場をやるものにとってはすんなりと入って来るはず。
普通に人生訓、相場の格言として参考になるかも知れません。
さすが一時相場でメシ食ってたと言われている石田衣良さんだけありますね。相場のことが良く分かっていらっしゃるw
とにかく投資家であれば読んで損はないと思いますけどね。わしは気に入りました。
大波乱?1998年の相場について!
1998年の前後はわしは最初の商売失敗して夜勤のバイトで返済してた頃です。当然ながら株屋は辞めておりました。
だからこの頃の相場は経験してないです。そのためどんな相場だったのかよーわかりません。 しかし経験された方は今や結構なおっさん、おばさんですねw
ただ経済的には日本だけでなく結構荒れた年だったようですね。 と言うか国際情勢もですが海外の経済が荒れたのことも日本の混乱に拍車がかかったのでしょうね。
アメ様ではノーベル賞を受賞した経済学者が設立したLTCMが破綻してますしね。 それからロシアの公定歩合が50%まで行ったってホントかいなw
そりゃ破綻こんな状況なら破綻しますわw それにしても昔も今もあの国のアホさには参りますな。
変額保険~銀行の悪事!
あと変額保険が出て来ます。 バブル期に銀行が相続税対策で金借りさせて買わせたやつですね。
変額保険は株で運用するのでバブル崩壊後はどうなるか分かりますよね。ほとんどが元本割れだったと思います。
と言うか元本を割ると言うレベルじゃなかったと思いますけどね。時期は少し前ですが、わしが株屋時代に売った投資信託なんて酷いのは半分近くなりましたからね。
ちなみにwikiによりますと、
バブル崩壊後の運用環境の悪化で運用成績が極端に落ち込み、多くの保険契約で解約返戻金が元本割れの状態に陥った。結果として銀行借入の返済が困難になり、担保の土地・建物を競売にかけられて失う例も出た。不動産価格の下落のあおりを受けて担保を差し出しても借入金を賄えずなお返済を迫られる例もあった。そして最低保証のある死亡保険金で負債返済に充てるために被保険者が自殺する例も出て社会問題となった。
とあります。まったくえげつないですなあ。
ゴルフ会員権もそうですけど「銀行だから信用した」とか被害者は言ってましたけどね。売る方も「銀行の看板があるから下手なものはお奨め出来ない」などとほざいてた映像を見た記憶があります。モザイクは入ってましたけどね。
でも今ヤホーで検索してもこういった銀行の悪事って出て来ませんな。 こんなの株屋以上やがな。
Google様もメガバンクに忖度しているんですかね。
最後に!若い投資家の方に読んで欲しい!
変額保険の被害者の会が銀行の店内で悪態をつくシーンがありました。それ読んでて株屋時代に投資信託で損をして暴れたおっさんを思い出しました。
そのおっさんを止めに入った時に、どこの業界で何を売ったらこんなことになるのかと心底情けなくなりました。それで株屋を辞めようと思ったわけですが・・今から思えば変額保険売るより株屋の方がましですねw
それは別として個人的には若手の投資家に読んで頂きたいですね。是非とも小塚老人からのメッセージを受け取って欲しいです。
もちろんおっさんが昔を思い出しながら読むのもいいですけどねw