高野譲氏の「株式ディーラーのぶっちゃけ話」を読んでみた感想!

わしは元証券マンではありますが、主に個人営業をやっておりました。

ですが別にやりたくてやっていたわけではありません。当時のわしが憧れていたのはディーラーかファンドマネージャーですね。でも夢かなわずに証券界から去ることになりましたが・・

でも仮にディーラーなりファンドマネージャーになれたとしたら、業界で生き残れたでしょうか。正直、何とも言えないですが、株は好きでしたからね。良い成績を残せたかどうかは別として、何とか生き残るぐらいのことは出来たのではないかと思っております。

しかしディーラーの世界で生き残るのは想像以上に難しいかも知れませんね。高野譲さんと言う方の著書、「株式ディーラーのぶっちゃけ話」を読んでみてそう思いました。ちなみに高野氏は現役のディーラーとして長年、生き残ってこられた方です。

現役の方が書いた本ですから個人的にはかなり面白かったですし、また参考になる部分もありました。ですので簡単に感想をアップしてみます。

Stock, Trade

 

デイ―ラーと言う仕事について

本の感想に入る前に、簡単にディーラーと言う仕事について触れておきたいと思います。

ディーラーは証券会社の主な業務の1つで自己売買部門とも言いますよね。どんなことをやるのかと言うことですがこれは読んで字のごとくです。

証券会社の自己資金で株のトレードをやると言うことですね。そしてその売買を担当するのがディーラーです。わしがいた会社では人数は少なかったですが、会社によってはその規模にかかわらずかなりのディーラーがいた所もあります。

それは現在も同じだと思いますが、社員ディーラーとか契約ディーラー、フルコミッションディーラーなどに分かれている会社が多いようです。契約やフルコミッションであれば儲けた額の何割かがバックされるのでかなりの高収入の方もいます。

ディーラーのトレードは基本はその日に買った銘柄はその日のうちに決済します。会社によってルールが違いますが、あまり持ち越すことはないはずです。つまり日計り商い、デイトレードですね!

何のかんのと言いながらデイトレードがリスクが少ないとされる根拠の1つが証券会社のディーラー部門が長年日計り商いが中心だったことですが、確かにそれも一理あると思います。

ただ細かい規制もあったりして個人でやるデイトレードよりは自由度は低いですけどね。

 

この本はノン・フィクション?

それでこの本を読んでみた感想ですが、まず思ったのはこの本はどこまでノン・フィクションかと言うことです。

舞台となるのは大洋証券と言う会社ですが、そんな会社はありませんよね。ただ当然ながら高野氏が実際に勤務している会社がモデルになっているはずです。

いろいろなエピソードがありますが、同僚のディーラーの話が中心ですからね。でもすべて実話だったら読む人が読めばどこの会社の誰なのか分かってしまいます。

上手く行ったトレードなら良いですが、失敗した話も多いですからね。誰でも自分の失敗した例を本には書かれたくないと思います。

ですのでかなりの部分はフィクションだと思いますけどね。

とは言えディーラーの実態と言うか、どんな仕事なのかとか微妙な人間関係とかは上手く描かれていると思います。でもリアルな描写ではなくフィルターは掛かってますけどね。

まあわしもディーラー経験者ではないので想像で言ってるだけですけどね。

 

高く買って高く売れ!ディーラーの神髄!

ただどうせ株式投資関連の本を読むなら自分のトレードに生かしたいものですね。

でもそう言った内容の本ではないですからね。ですのであまり期待してはいませんでした。しかしそんなことはなくて、いろいろと参考になることがありました。

中でも一番参考になったのは、「高く売って高く売れ!」と言う言葉です。

この言葉は大洋証券の自己売買部門の部長のセリフとして出て来ます。

「お前らが個人投資家よりも安く買おうなんて10年早い!」と言うセリフもあります。

高野氏によると、一理あると言うかコレがディーラーのトレードの真髄らしいですね。つまり順張りがディーラーの基本だと言うことです。

ディーラーは非常に生き残るが難しい業種ですが、生き残ったディーラーは圧倒的に順張り派が多いとのこと。順張り派と逆張り派の比率は大体10対1ぐらいらしいですね。確かに凄腕のデイトレーダーも順張り派の方が多いような気がします。

それと順張り派でないと、上げ相場について行けなくなるとのこと。これはホントその通りかも知れません。わしのような逆張りストだと何度もインした銘柄でも上がって来ると見てるだけ~になってしまいます。2017年ならテクノスマート、今年ならテクノホライゾンとかがそうですね。

また2017年の16連闘の時も、思うような利益を出せませんでした。ですのでいい加減、わしも順張りの練習もしないといけませんな。

 

まとめ

今回は高野譲氏の著書「株式ディーラーのぶっちゃけ話」を読んだ感想をアップしてみました!

この本はディーラーと言う仕事について興味のある方なら読んで損はないと思います。ただディーラーを経験された方が読むとどんな感想になるのかは分かりませんけどね。

いずれにしてもわしにとっては参考になる部分もあり、また楽しく読ませて頂きました。ただもしディーラーになるならわしは専業の個人投資家になった方が良いかなとは思いましたけどね。

しかし改めてディーラーと言う世界で生き残るのは大変なんですね。長生きする人が少ないのも理解出来ます。

しかしそれは個人投資家でも専業なら同じことかも知れません。