90年代のヘッジファンドの実態を暴く「東京ゴールドラッシュ」

少し時間がかかってしまいましたが左の「東京ゴールドラッシュ」を読了。90年代前半のバブル崩壊期に東京を舞台に荒稼ぎしたヘッジファンドの実態を暴く実話、ノンフィクションです。

面白いか面白くないかと言えば面白いと思いますけどね。 ただ個人的には寝食忘れて読みふけるほど面白くはなかったです。

でも興味深い内容の本ではあるので読んだ感想をアップしておきたいと思います。

 

東京ゴールドラッシュについて

「東京ゴールドラッシュ」の著者はベン・メズリックと言う方で、「ラスヴェガスをぶっつぶせ!」等の著書があります。日本語版は2004年が初版で原題を直訳すると醜いアメリカ人ですね。

どうせなら副題に醜いアメリカ人を残せば良かったのに、と思いました。あとこの頃はまだガイジンと言う言葉を普通に使ってますね。今は放送禁止用語らしいですが。

帯の紹介文は以下です。

エリート米国人青年がバブル後の日本で就職。言葉もっつ通じぬ見知らぬ国で商習慣の違いやヤクザ、水商売、風俗にもまれ、いつしかトップ・トレーダーに。27歳で60億のボーナスを手にし、ヤクザの娘と結婚、引退するまでの日々を綴った在日外国人トレーダーの生態を克明に暴くハードコア・金融ノンフィクション!

ノンフィクションとあるけどどこまでホントかな?とも思います。 特に外資系金融機関のガイジン専門の風俗とかね。

それと映画「マネートレーダー」の主人公でベアリングス銀行をつぶしたニック・リーソンが実名で出て来ます。 主人公やその上司、他の登場人物はほとんど加盟ですけどね。

主人公はニック・リーソンンの注文を大阪で受けてたとのことで、別の角度から見た彼の姿も知ることが出来ます。もちろん出て来るのは少しだけですけどね。

話はそれますが映画「マネートレーダー」はわいも見ました。対象が何であれ頻繁にトレードする方はこの映画は見ても損はないと思います。

 

日経平均の採用銘柄の入れ替えで大儲け!

今でこそ毎年、日経平均の銘柄の入れ替えがあります。でも昔は基本的に倒産でもしない限りずっと同じ銘柄でした。

そのため一部の品薄株に左右され過ぎると言う問題が出て来ました。 特に90年前後からは裁定取引が活発に行われるようになり、指数を上げるために品薄株を外資が買い上げたりするようになりました。

わいもその当時、それに乗っかりニッケとかを客に回転させて手数料稼ぎやってました。 もちろんいつも上手く行くとは限らないですけどね。

 

それで「東京ゴールドラッシュ」の話に戻りますが、主人公は日経平均が15銘柄一気に入れ替えがあった時に乗じて600億?儲けたと言うことです。それによって60億のボーナスを手にしたらしいです。

帯の紹介文を読むとかなり汚い手やインサイダーみたいなことをやって儲けたように思ってましたけどね。でもそうではなく当時なら別に普通の取引だったかも知れません。

当時のそういったことを知ってる方なら興味深いかも知れません。

 

ヤクザなしでは日本の政財界は成り立たない?

20年ぐらい前にヤクザ・リセッションと言う本が話題になりました。著者は現在は陰謀論に行ってしまいましたけどね。

「東京ゴールドラッシュ」にもヤクザがいなければ日本の政界も財界も成り立たないと言う話が出て来ます。 銀行とヤクザが組んで不良債権を外資にハメたりとかも。結果として主人公の親友がドツボにハマります。

でも実際どうなんでしょうね。個人的には政財界を向こうに回して立ち回れるヤクザなんてほんの一握りだと思いますけどね。

わいの高校は当時、名古屋有数のアホ高やったのでクラスの半分はバカで犯罪者or犯罪予備軍でした。普通高校なのに大学進学率の低さは異常でしたがヤクザになるヤツってそんなのばかりでしょ?

普通に考えても中卒で珍走団上がりやわいの高校を出たヤツなんて簡単な足し算も暗算だと出来んと思います。だからこそごく一部の頭が切れる経済ヤクザが牛耳っていると言うことなんですかね。

まあわいのような凡人ではよく分かりません。

 

最後に・・

今回はベン・メズリック著「東京ゴールドラッシュ」を読んだ感想をアップさせて頂きました。失礼ながら読み物としてそこまで面白いとは思いませんでした。

ただ記事にして残そうと思ったぐらいですからね。興味深い内容であることは間違いありません。特に90年代の証券業界に詳しい方ならそう思うんじゃないですかね。

それと最後に主人公の上司のトレードのルールが紹介されています。トレードに役立つとしたらその辺りでしょうか。

もう古い本ですが、もし興味を持たれたならご一読を!