井原西鶴の代表作「日本永代蔵」の感想!日本初のビジネス書?

井原西鶴「日本永代蔵」を読んでみました。江戸時代の古典ですが、日本初のビジネス書と言われていますよね。

もしかしたら世界的に見ても初かなと思ったら、そうではありませんでした。イタリアで15世紀に出た「商売術の書」と言う本が世界初のビジネス書だそうです。さすが世界は広うございますね。

でも「日本永代蔵」も凄い本だと思います。と言うか我が日本の江戸時代はホントに凄い時代ですね!

知れば知るほど江戸時代のパイセン方の凄さに痺れますわ。

 

井原西鶴と日本永代蔵について

井原西鶴は江戸時代の浮世草子の作者ですね。生まれたのは1642年ですから前期~中期に差し掛かる頃ですね。

元々は紀州の生まれですが、大阪を拠点として活躍し俳諧師でもあったようです。

代表作もいろいろあると思いますが有名なのは「好色一代男」ですね。わしはガキの頃になんちゅうタイトルやと思ったものです。

もちろん「日本永代蔵」も代表作ですよね。1688年に出版されているので元禄が始まった年ですね。

当時は町人物と言うジャンルだったようですが、それぞれモデルが存在していたようですね。

 

日本永代蔵を読んでみた感想!

想像以上に面白かったです。こりゃ間違いなくビジネス書ですわ。

あるいは実在の人物、実話を元にした経済小説ですかね。

「銀(ゼニ)が銀を生む時代」と言うフレーズが出て来ますけどね。これって資本主義ですがな。

すでに1600年代後半に元手がなければ成功出来ないともあります。今の時代みたいな閉塞感があったのでしょうか。

ただ1600年代の半ば頃が舞台ですからね。元禄時代のバブルが始まる前と言ってもその後の低成長期と比べればまだ良かったような気がしますけどね。

それから他にも昔と違って今は華美に・・みたいなフレーズも出て来ます。また数多くの成功者、そして失敗者が出て来ますが失敗する原因のほとんどは贅沢、遊興が原因ですね。

しかし今も昔も変わらんですね。そりゃ人間の本質は変わるわけないですからね。

 

印象に残ったエピソード

「日本永代蔵」には数多くのエピソードが紹介されています。今読んでも興味深いエピソードばかりですが、その中から印象に残ったものをいくつか挙げます。

ドケチ

「日本永代蔵」にもドケチクラスタが出て来ます。たださすが江戸のパイセンはドケチも徹底しています。

早く歩くと腹が減るから損と言うことで、ゆっくり歩くおっさんの話があります。諸君もマネしたらどやw

ただ西鶴はドケチに徹して金残して死んでった人間は否定的に見てますな。あの世まで持っていけないので当たり前ですね。

淀屋の米市場

米相場と言えば大阪の堂島ですが、最初から堂島にあったわけではありません。1697年頃に堂島に移転したそうです。

それまでは豪商の淀屋の店の前で米市場が立っていたそうで、その当時の賑わいぶりが紹介されています。

わずか2時間の間に五万貫の商いが立つ日もあったようですね。今の時代の金額で言うと500億円?

当時の大阪のおっさんらはどんだけ米相場が好きやちゅう話です。

後家

大阪には各藩の蔵屋敷が立ち並び、国元から米が送られて来ます。荷上げの時に米俵の中を確認するために穴を開けてたようですが、その時に米が少しこぼれます。

そのこぼれた米をかき集めて食べたり売ったりして生活していた貧しい人たちもいました。

その中の1人に若くして後家になったが人がいました。器量が悪く貰い手のないのでコツコツと働いてお金を貯めて1人息子を育て上げたそうです。

そしてその息子が商才があり、母が貯めた資金を元手に商売で成功し両替商にまで登りつめたようです。実際にモデルがいたのでしょうね。

 

最後に・・

今回は株式投資関連の本ではないですが、井原西鶴の古典、「日本永代蔵」を読んだ感想をアップしました。

改めて江戸時代は凄い時代だったんだな、と思いました。特に西鶴の時代は江戸時代流の資本主義が勃興→成熟しつつあった時代かも知れません。

だから今の時代に近いような印象を受けるのかも知れませんね。

興味のある方は是非とも読んで頂きたいと思います。普通にビジネス書としても参考になると思いますよ。

また西鶴の生きた時代の商人たちのリアルな姿を想像出来るはずです。