「伝説の相場師の教え」の感想!誠備グループの加藤氏の実像は?

誠備グループ加藤氏と言えばその昔、仕手筋として一世を風靡しました。兜町の風雲児と呼ばれた男たちの1人です。

かなり派手な仕手戦を繰り広げていたようですが、わしのような昭和の株屋でもさすがに全盛期は知りません。就職した頃にはもう逮捕されてましたからね。ただ何か仕手系の銘柄が動くと亡霊のように名前が出て来ることはありました。

その加藤氏もすでに鬼籍に入られていますが2022年の4月、側近だった方が「伝説の相場師の教え」と言う本を出版されました。今回、読んでみましたので感想を述べたいと思います。

 

「伝説の相場師の教え」の著者、内容について

この本の著者はTAKA.K(たか・けい)さんと言う方です。1966年生まれで名古屋在住の会社経営者とのこと。

加藤氏の著書「般若心経と株」を読んで手紙を書き、それ以降師事されて一緒に株の取引きもされて来た方です。まあどこのどなたであろうと特にどうとかこうとかはないですが・・

Twitterのフォロワーさんから息子さんではないかと言うご意見を頂きました。確かに息子さんの名前もTAKA.Kになりますね。

息子さんではないにしても多少なりともこの本に関わっておられるかも知れません。

 

本の感想ですが、正直、わしが期待した内容ではありませんでした。側近しか知り得ない仕手筋の裏側、手口を暴くような話が書いてあるのかと思いましたけどね。

手法としてはオーソドックスで著者も手法と呼べるようなものではないかも知れないと述べておられます。 確かにその通りで王道と言っても良い投資法かもしれません。

仕手筋と言うと安い時に少しずつ株を集めてその後に一気に買い上げるような感じかと思ってました。でもこのやり方なら相場操縦で逮捕されるようなことにはならないと思います。

事実、加藤氏が逮捕されたのはバブル期は所得税法違反、2012年は風説の流布で相場操縦では立件されていないですからね。

とは言えホントかなあと思わないでもありません。多少なりとも上を買うようなこともしないと相場にならないのでは?と言う気もします。

 

加藤氏の実像は?どんな人物だったのか

それから気になるのは加藤氏が実際はどんな人物かと言うことですよね。こちらについても少々、拍子抜けと言いますか普通に人格者ですよね。

あの誠備グループの総帥で兜町の風雲児と言われた人ですからね。酸いも甘いも表も裏も知り尽くしたサイコパスみたいな人間かと思ってました。

wiki見ると宗教にはのめり込んでいたようですので晩年になって人が変わったのかも知れません。

 

ただそれでも釈然としません。 ホントにこんな人格者だったのでしょうか。

同じ時期に活動していた中江茂樹氏は、加藤氏は浮動株が少なく価格の低い銘柄を短期間で買い上がっていくやり方なので自分とは合わないから一緒に仕事をしたことはないと言ってますしね。中江氏の発言からは一般的な仕手筋のやり方のように思えます。

また最後の相場師と言われた是川銀蔵さんは、わしが何かで読んだ記憶が確かなら・・

加藤のようなヤツは許せないと誠備グループの銘柄を徹底的に空売りして激しい仕手戦を繰り広げてますしね。

 

また個人投資家を守りたいとか言っておられたらしいがそんな人が暴力団と組むだろうか。本州製紙も大相場やったけど、加藤氏と稲川会の石井氏が組んで手がけたとは知らんかった。 本日wikiで知りましたw

本州製紙はわしの記憶が確かなら7000円ぐらいまで行ったのと違うかな。まあそこまでは行ってなくてもかなりの大相場だったことは間違いないと思います。

高値付けてからはあまり値が付かずに下がって行ったけど、こんなことやってたら結果として多くの個人投資家を損させるに決まってますからね。そりゃ自分のグループの投資家は儲けさせることは出来たかも知れませんけど。

最も相場なのですべての投資家が儲かるなんてことはないですからね。崇高な理念は持っておられたたけど結果としてそうなったと言うことでしょうか。

 

最後に・・

今回は「伝説の相場師の教え」を読んだ感想を記事にしてみました。

加藤氏についてはwikiで見たのとは大違いです。どちらが実像に近いのか分かりませんが、まあ側近として近くで見て来た方の仰ることの方が正しいのかも知れません。

それと手法についても意外なほどシンプルで王道と言っても良いと思います。相場に限らず何事も結局は奇をてらったようなやり方ではなく地道でコツコツといったやり方がベストなのかも知れません。

それとTAKA.K氏は土日で3000銘柄のチャートをチェックしているとのこと。やはりそういう努力を積み重ねることが大事ですね。

わしも改めてもう少し努力してみようと思いました。そう思えただけでも読んだ価値があったかも知れませんね。