映画「近江商人、走る!」の撮影に少し参加&感想・レビュー

今から約300年前の享保年間、大阪に堂島米市場が開設されました。シカゴより約130年も早い世界初の本格的な先物取引市場だったと言われてますよね。

当時から高度な取引もされていたとのこと。それにしても我々の先輩方は凄いです!

もっとドヤっても良いと思いますけど日本ではほとんど知られていません。もう少しアピールすれば良いのにとも思いますが・・

まあそれは別として、2021年に米相場がテーマの映画が製作されたのですが、わしもその撮影に少し参加させて頂きました!

こんな機会二度とないのでその時の体験談・感想を記事にして残しておこうと思います!

追記 2022年の9月1日に情報解禁となりました。タイトルは「近江商人、走る!」で公開は22年12月30日からです。

 

なぜ参加させて頂くことになったか?

2021年の4月の終わり頃に、米相場をテーマにした映画を企画しているので場立ちをやってた時の話を聞かせて欲しいというメールを頂きました。何で場立ち米相場と関係あるのかなと思いましたが・・

監督さんが米の取引のシーンを昔の証券取引所の場立ちをイメージしているとのこと。そりゃ江戸時代の米相場の取引をどうやってやってかなんてわからないですからね。

断る理由もないのでZoomで質問に答えさせて頂きました。

さらにその後に、京都、彦根のセットまで来て米の取引のシーンの監修と役者さんに手サインを教えてもらえないかと言うオファーを頂きました。わしにそんなこと出来るかなと思いましたがこんなこと二度とないですからね。

さらに京都ではズラ付けてエキストラもやることになりました。まあ何ごとも経験ですからね。

 

映画のエキストラを体験した感想!

エキストラに参加する日は朝早いので、前の日から予約してもらった京都のホテルに泊まりました。当日は朝の5時30分ぐらいに太秦映画村の近くの松竹撮影所に入りました。

そこで衣装とズラを付けてもらいメイクもしてもらいました。その時の画像がサムネの画像です。

 

わしゃ当然ながら映画などのエキストラなどやったことありません。でも言われた通りにやれば問題ないはずですからね。

・・と思ってましたが実際に現場に行くとねえ。エキストラ歴が長い方もいらっしゃいますからね。

わしゃ正直、これは場違いな所に来てしまったと思いました。真剣にどこかに隠れていようかなと思いましたからね。

ただエキストラだけでなく米の取引シーンの監修もありますからね。隠れているわけにも行きません。

と言っても大したことはしてないですが、サインを指導させて頂いたりとか助監督に聞かれたことに答えさせて頂きましたが少しでもお役に立てたならうれしいですね。

 

エキストラとしては別に映りたいわけでもないし、慣れている方と同じようにはやれないので後ろの方にいたら・・ 監督助手の方が来て「午後から寄りで撮りますからね」と言われました。 「私をですか?」と驚いたけど断る理由もないですからね。

ただもしかしたらアップで映っとるかも知れん。 恥ずかしいな。

 

しかしわしも長いこと生きて来ましたけどねー。改めて自分と言う人間の限界が分かったような気がします。

こんなこと二度ないですからね。他のおっさんや小学生ぐらいのエキストラの子とかとしゃべりまくったり写真撮ったりすれば良かったです。

何とか営業マンが務まるぐらいのコミュ能力はありますけどわしがダメなのはこういう所なんでしょうな。

 

参加させて頂いた日は朝6時ぐらいから終わったのは夜の9時前でした。今日中に家に帰れるかなとハラハラしましたが、京都市内を歩いて警察署で聞いて何とかその日に岐阜県まで帰ることが出来ました。

 

撮影現場を見て思ったこと!

映画の撮影は大体、1日かけて撮るのは5分ぐらいだそうです。だから一つの映画がクランクアップするのは約1ヶ月ぐらいかかりますよね。

それにしても普通の街のシーンでもあんなに気合いを入れて撮っているのには驚きました。何度も何度もカメラテストを繰り返し、本番も監督が気に入るまで何度でもやります。

そりゃ時間がかかるのも当然ですわ。

 

あとズラの方やメイクのおねーさん、衣装係のおねーさんが頻繁に直しに来ます。 こんないちエキストラなんか誰も見とらんと思うけどね。ここまで気を使って一つの作品作っているんですね。

ただ股間に手を入れて衣装を直された時はおじさん少しドキドキしました。 諸君だったら大変なことになったかもw

しかし制作する側の方は銭金とかじゃなくて心底お好きなんでしょうね。 もちろん銭金なければ情熱も維持できないですが。

 

それと今回、制作現場を見たことで・・

わしも今までいろいろな映画やドラマ見て来てつまらん、おもろないとか散々言って来ましたけどね。裏方さんの頑張りみるともうドラマや映画見ても悪く言えませんわ。

もちろん批評や批判をしてはダメなんてことはないと思います。そういうのもないと良い作品も出来ないでしょうしね。

 

と言うことで色々な面で得難い経験をさせて頂きました。 有名な俳優さんとも少しお話させて頂きましたしね。

 

試写会に行って来た!その感想・レビュー

映画と言うのはクランクアップした後に、最低でも3ヶ月、作品によっては6ヶ月ぐらいかけて編集とか音楽制作などをやるそうです。こういった撮影終了後の作業のことをポストプロダクションと言うらしいですね。

この映画は21年6月にクランクアップしていますのでポストプロダクションが終わるのは9月ぐらいのはずです。しかしコロナの影響もあって、情報解禁になるのは年末ぐらいじゃないかと聞いていました。

でももっと遅れたのかな?関係者試写会が東京で2月にあったようです。で、4月に大阪でも試写会があったのでわしも遠路はるばる行って参りました。

やはり米相場がテーマの映画ですから我々投資家・トレーダーにとっては興味深いですからね。早く見てみたかったのありますし。

 

それで映画を見た感想ですが・・

正直、わしが勝手に思い描いていたような内容とは少し違うかなと思いました。貧しい少年が米問屋に奉公し、相場師としてのし上がっていくようなストーリーを想像してましたからね。

もちろん基本はそういった内容ですし米相場が大きな要素を占める映画に違いないです。でもそれだけでなくマーケティングやエンタメ的な要素もあります。やはり万人受けと言うか多くの方に見てもらうためには米相場だけやってるわけにはいかないでしょうからね。

ただ堂島米会所で米の値段が買い気配みたいな感じで上がって行くシーンがカットされていたり、主人公が米の大口注文を出すシーンがあっさりしてたのは個人的には残念でした。これはどうかなと思わんでもないシーンもありましたしね。

 

しかしそれはわしの脳内で勝手に想像してた内容と違っていただけですからね。面白くないかと言われればそんなことないと思います。

バイアスかかっているかも知れませんが十分楽しめましたけどね。すんなり終わらないというかどんでん返しもありましたし。

何より日本初?の米相場をテーマにした映画です。投資家としてはこういう映画が出来ただけでもうれしいです。

あと自分が写っていたら嫌だなと思ってましたがその点は心配ありませんでした。もちろんチラっと写ってはいましたけどね。

 

追記 22年9月1日に情報が解禁されました。タイトルは「近江商人、走る!」です。あの池上彰さんが予告のナレーターをしておられます。

映画『近江商人、走る!』 予告 <60秒>

追記2 12月30日に公開されたので早速、名古屋まで見に行って来ました。でも映画館で映画見るのって一体何年ぶりやろw

時代の流れについて行けなくて、おじさん恥ずかしかったです。

で、改めて見た感想ですが試写会で見た時より良い方向に変わりました。あれ?こんな感じだったかな?と思う所もありそこそこ面白いかったです。

もしかして再編集されたのかな?まあそんなこともないでしょうからわしの記憶違いだと思います。

歴オタとか時代考証にうるさい方が見ればどうかなと思う面はありますが、一般的にはこういった路線の方が良いかも知れません。少なくとも監督さんの目指した金融に興味を持つ入口になれば、と言う点はクリアできてると思います。

 

最後に・・

わしが場立ちをやったのはトータルで2年半ぐらいかな?そんな程度です。当時は正直、嫌で嫌でたまりませんでした。元々は営業マンとして配属されたということもあったし性格的にも合いませんでしたしね。

しかし30年以上たって、まさか映画の中でハンドサインを出すことになろうとは!びっくりでございます。

それと少々無理して良かったです。大阪まで行って良い気分転換になりました。

父が要介護2になり精神的にはいっぱいいっぱいの日々が続いていますからね。ただ出来れば一泊したかったですけどね。

最後にプロデューサー、監督さん始めスタッフの皆様、このような映画を企画・製作して頂きありがとうございます。さらにわしのようなポンコツに得難い経験をさせて頂き感謝しています。

この映画が我々日本人、特に若い方の起業家精神、マネーリテラシーの向上にプラスになることを願っています。