証券会社の営業マン時代の話~株の回転売買とは?禁止ではあるが

先日、どこかわかりませんが準大手証券会社が70代の女性に過剰な回転売買をさせていたと言うニュースがありましたよね。

女性は証券会社に勧誘されて1億4千万円を投資に回し、約6年間で利益はほとんど出ていないにも関わらず手数料総額は6400万円にも上っていたとのこと。ネット上での反応は当然ですが、「けしからん」と言うご意見ばかりです。まあその通りで何の異論もないですが・・

でもわしの感覚だと良心的とまでは思わないにしても、この程度ならそれほどでもと思ってしまいました。もちろん投資金額がどの程度残っているかにもよりますけどね。

ただ昔から証券会社の体質は変わらないと言うことですね!と言うことで今回はバブル期の株の回転売買を取り上げてみたいと思います!

 

回転売買とは?

回転売買とは読んで字のごとくです。何度も売り買いをすることですね。この場合は証券会社の営業マンが顧客に出来る限り短期間で売り買いをさせることを意味します。

まあ今で言うデイトレ、短期スイング取引ですね。ただデイトレにしても手数料の安いネット証券であれば可能ですが、未だにそれなりの手数料を取る対面証券ではなかなか難しいんじゃないですかね。

 

わしが証券会社の営業マンだったバブル期には100万円だと税金も含めて往復4%弱でした。ですのでデイトレしてもらおうにも中々出来なかったですけどね。

ただいかに短期で回転してもらって手数料を稼ぐかが営業マンの腕の見せ所でした。大手と違って「この銘柄をどれだけハメろ!」といった形でのノルマはあまりなかったですからね。月に手数料を総額でいくらと言う感じでした。

ですので自分の言うことを聴いて下さるお客様をいかに育てるかが株の営業と言い換えても良いと思います。ですので基本は多少は利益を取って頂かないと続かない、と言う面はありました。

 

しかし中には無茶するやつもいますからね。手数料のためなら勝手に売り買いするとか電話して「〇〇を買っておきます!」とだけ言って切るやつとかね。

「客なんか死んだっていい。また作ればいい」と嘯くやつもいました。そういう営業マンは殺し屋と言ってましたけどね。

特に大手や準大手から転職して来た営業マンは酷かったですね。彼らにとって客を潰すのが営業なのかも知れません。

でも当時の大手なんかは半年で1億とか損できる人を探すのが営業だったそうですからね。それを思えばわしがいた会社などは比較的良心的だったと思います。

今から思えば大手証券の営業マンはサイコパスじゃないと務まりませんな。

 

過当勧誘・過当取引は禁止されているが・・

このような回転売買は当然ながら、過当勧誘、過当取引に当たります。ですので本来なら禁止されています。

でもそんなことを言っていたら証券会社は儲かりません。またわしら営業マンもノルマが達成出来ないですからね。

しかしバブルが崩壊してからは、大手証券中心に度重なる不祥事が明るみになったおかげで多少は厳しくなりました。あまりに度が過ぎると監査部とか売買管理室などから注意されることはありました。

でも口頭で注意するように言われるだけで、それで処分されたりとかはなかったと思いますけどね。

 

投資信託の回転売買

それから回転売買と言うか投資信託の乗り換えもありましたね。

わしがいた会社で扱う投資信託はほとんどが4年満期の2年クローズドでした。ですので2年過ぎたものはほぼ解約してもらって別の投資信託に乗り換えてもらっていました。

本来なら4年満期ですが、ほとんどの投資信託は2年で残高が減ってしまいます。これでは運用会社もまともな運用とか出来ないですよね。

それと2年後に元本を割ってなければ、と言うのもあります。中には元本割っていても乗り換えて頂くこともありましたけどね。

あといつでも売り買い自由のオープン型の投資信託の場合は株で儲かった時に、短期で売り買いしてもらうと言うのは何度もやったことがあります。これも今やったら問題になるでしょうね。

 

今後もなくならない?

たださすがに今の時代は回転売買も含めてコンプライアンスが厳しくなっていると思ってましたけどね。

それでも定期的にこういったニュースが出て来ます。と言うことはおそらく氷山の一角なんでしょう。実態は昔とあまり変わっていないと言うことでしょうか?

そりゃ今も昔も手数料稼ぎのためには回転させるしかないですからね。今後も残念ながらなくならいでしょうね。

しかし普通にぼちぼちと利確して頂きながら適度に回転売買すれば良さそうなものですが・・

でも特定の会社の株をハメないといけないのが大手や準大手の証券会社ですからね。そんなことは言っていられないかも知れません。

それと適度に利確しながら回転させるような、相場が上手い営業マンなら今の時代なら自分でトレーダーになるはずですわ。

今も昔も証券会社にいる輩は下手クソばかりなんでしょうね。

 

最後に・・

今回はわしが証券会社の営業マンだった頃の、回転売買を記事にしてみました!

正直、今の時代の証券営業のことは分からないのでトンチンカンな内容かも知れないですけどね。

ただ今回のニュースになったような事例であれば、わしの感覚から言わせて頂くならもっと手数料上げていてもおかしくないと思いますけどね。となると昔ほどは酷くないかもしれません。

しかしもう時代が違います。コンプライアンスの面からもきちんとした営業をして欲しいとは思います。