証券会社の営業マン時代の話!奨めた株が下がったらどうなる?

証券会社の営業マンと言うとどんなイメージがあるのでしょうか?

過酷なノルマ?客殺し?ブラック?いずれにしてもあまり良いイメージはないかも知れません。それに今はネット証券で事足りるのでもう営業マン自体いらないかも知れないですね!

わしはちょうどバブルの頃、証券会社に約10年間勤務しておりました。それでそのうちの大半は支店で個人のお客様を担当する営業マンでした。

そこで今回はその頃の話を記事にしてみました!と言ってもいろいろありますのでまずは奨めた株が下がった時のことをいろいろと思い出して述べてみたいと思います。

証券会社

 

奨めた株が下がったら?

わしがいた規模の会社では株のノルマは手数料の総額だけで、この銘柄を何株といったノルマはそれほど多くはありませんでした。

ですので株の営業は営業マンが自分の判断で良いと思った株を奨めて買って頂くことが中心でした。そのため出来れば短期で回転出来るような銘柄が理想でしたけどね。

ただお客様に奨めて買って頂いた株が毎回上がるとは限りません。相場は上げ下げするものですから当然ですよね。

時にはお奨めした株が大きく下がることもあります。特にバブル崩壊が始まった1990年以降は当然ながら下がる方が多かったですね。

そういう場合、最初のうちはお客様も

「良いと思って奨めてくれた株だから」

と比較的冷静に対応して下さいます。

しかしさらに下がり続けたらそうは言ってもらえなくなって来ます。いろいろと嫌味を言われたり文句を言われたりとかは多々ありました。

でもこの程度なら営業マンとして納得出来ます。誰だって資産が減ったらうれしくないですからね。

ただ一部のお客様には

「お前のせいでいくら損してると思ってるんだ!」

と罵声を浴びせられることもありました。

もちろん一部のお客様だけの話ですし、気持ちも分かりますけどね。わしも何度畳に額をこすりつけて謝ったことか・・

お客様の怒りが酷い場合には菓子折り持って支店長に同伴してもらったりとかもありました。

ただこういうことが続くと目先の底は近いとしたものでした。

 

さらに相場が酷くなると・・

バブル崩壊後の下げ相場はやはりかなり厳しいものでした。特に1990年の下げはきつかったですね。リーマンショックがダブルで来たような下げっぷりでした。

ただ相場が酷くなって来ると、こちらが奨めた株ではなくお客様がご自身の判断で買った株が下がってもわしらのせいにされることもありました。

酷い場合はお前の会社で損を持てとかね。さらにはお前が個人的に何とかしろと言われたことも何度もありました。

そりゃわしが奨めて買って頂いた株であれば道義的な責任は感じますが、アンタが自分で買った株なんて知ったことか!と思ったものです。

ここまで来ると言いがかりに近いですが、当時は大手証券会社の損失補填が明るみに出た頃でしたからね。無理を言えば何とかなるかもとお客様が思っても仕方がないかも知れません。

しかし今はまともになったと思いたいですが、昔の大手の証券会社はコンプライアンスなんてなかったですね!

 

いろいろと面倒を頂いたお客様も豹変!

わしが営業マンだった頃はまだ20代~30代前半でしたからね。親しくして頂いたりいろいろと面倒を見て下さったお客様もいました。

食事に連れて行ってもらったり家に呼んで頂いて夕食をごちそうになったりとかしたことも何度もありました。このお客様とは転勤しても一生お付き合いさせて頂くことになるだろうなあと思っていても・・

そんな関係は相場が悪くなれば一発終了です。金の切れ目が縁の切れ目ではないですけどね。

もちろんあれだけ面倒見てやったんだから多少は忖度しろと思うのは当然かも知れません。ただ当然ながら証取法などに抵触するようなことをするわけにも行きませんし、いち営業マンがどうすることも出来ないですからね。

ただ相場が良かった頃からお客様とはあまり親しくしてはいけないとは何度か上司から言われていました。やはり一線を引いた上でお付き合いさせて頂かないと行けませんな。

まあこれは証券業界に限ったことではないでしょうが。

 

今なら冷静に振り返れるが・・

まあ今なら冷静に振り返ることも出来ますが、当時はたまったものではありませんでした。わしも監禁に近いことをされたことがありますからね。

来ているスーツや営業用のカバンに因縁つけられりとかネクタイを引っ張られたこともありました。また個人の車を営業に使っていた時がありましたが、車を替えた時に「この車を売って俺の損に当てろ」なんてことを言われたこともあります。

それ以外にも書類に印鑑を押してくれないとかの嫌がらせや居留守を使われたりとか電話に出てくれない、株を買っても代金を払おうとしない方とかも・・

 

もちろんお客様全員がそういうことをされるわけではありません。ほとんどの方は良識ある方ばかりです。でもほんの一部の方だけでもこんなことをされたら本当に嫌になって来ます。

どこの業界で何を売ったらこんなトラブルになるんだろうと思ったものです。

実際にその当時の一番大変な頃の精神状態は正直ストレスなんてレベルのもんじゃなかったです。中には精神的におかしくなった営業マンもいましたからね。

ただそういったトラブルが頻繁に起きるとこれまた相場は反転することが多かったです。

 

最後に・・

今回はわしが証券会社の営業マンだった頃に奨めた株が下がった時のことを記事にしてみました。特に下げ相場の時の話ですけどね。

正直、わしは耐えられなくなって業界を去ることになりましたがバブル期はまだしも崩壊し出してからは全然楽しくなかったです。まあ何が悪いって相場が悪いんですけどね。

ただこういった経験をしたことも二度と株には手を出さないでおこうと思った要因の1つです。今は楽しく相場をやっていますがたまに当時の嫌なことを思い出すのがね・・

それと株ならお客様も元本保証ではないと思っているので実はまだましなんです。もっと酷かったのは投資信託です。

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それと最後にどんなに相場が悪くなろうが優しく接して頂いたお客様もいたことを付け加えておきます。