投資家心理の描写が秀逸?樹林伸の「ビット・トレーダー」の感想

「ビット・トレーダー」は地元の三洋堂書店の古本コーナーでたまたま見つけました。失礼ながら著者もまったく存知上げませんでした。

でも松井証券の松井氏、作家の江上剛氏、女優の伊東美咲さんが帯に紹介文を書いておられて興味を持ちました。ヤホーで検索したら2007年が初版と少し古いですがAmazonの評価も高いです。

しかし帯の紹介文ってやはり大事ですね。「すべての個人投資家に捧ぐ」と来たら個人投資家としては読まないわけには行きませんw

 

著者の樹林伸先生について

樹林伸先生は凄い方だったんですね。失礼ながらまったく存知上げませんでしたがw

たくさんのペンネームを使い分けておられますが、wikiを見ると「樹林伸」は本名とのことです。主に小説を書くときは本名をお使いになることが多いのかな?

しかし作品を見ると凄いです。代表作となると金田一少年の事件簿でしょうかね。

他にもサイコメトラーBLOODY MONDAYなど数多くのアニメ化、ドラマ化された名作の原作者なんですね。もしこの方がいなかったら・・と思うぐらいです。

ヒットメーカーなんてレベルじゃないかも知れませんね。

あとワインについての作品があるように、ワインに付いてはかなりの知識をお持ちです。他にもコーヒー、車にも造詣が深いようです。

わしらと同世代ですからね。 車好きなのは当然かも知れませんが「ビット・トレーダー」にも車のシーンは結構、出て来ます。

 

「ビット・トレーダー」の感想!

まずまず面白かったです。 さすがAmazonで星4.3だけのことはあるかなと思います。

そりゃあれだけの実績がある方が書いた小説ですからね。面白くない分けがありませんよね。

ただ株式投資関連の小説としてもっと有名でも良いと思うんやけどね。なぜ知名度が低いのかな?

もしかして知らんのわしだけやろかw

 

それから樹林先生は株式投資、それもデイトレの経験も豊富なのかな? デイトレ、短期トレードの経験がある人間が読んでもそれほど違和感ありません。

ただ舞台が2005年ぐらいですからね。トレード環境のせいもあるかも知れんが一部、どうかなと思う部分はありますけどね。

 

しかし個人的に思うのは主人公も結構、クズやと思いますでw まあいろんなことがあったにしてもね。

相場で大儲けしたは良いけど家族ほったらかして良いマンション借りて愛人囲ってね。おまけにポルシェ911まで手に入れると言うわしら世代のおっさんにとって理想的な、いや違うかw

でもラストはハッピーエンドはないやろうと。 娘を救うのは良いとしても愛人が一番良い所持ってって欲しかったと思います。

なぜか知らんがメチャ協力的で危険な目にあっても文句も言わんお利口さんな愛人ですからね。 何でこんな設定にしたのかな。

でも最後に裏切って金を独り占めするサイコパスやったら面白かったかなと思います。 その点ではイマイチかな。

 

「ビット・トレーダー」はトレードの参考になる?

わしも今までいろんな相場関連の小説を読んで来ました。完全なフィクションであったり実際にあった事件、実在の人物をモデルにしたものとかいろいりありましたけどね。

ただこの手の小説を読んだ所で投資なりトレードの役に立つことってあまりないのでは?と思います。小説ですから相場の指南書や解説本ではないですからね。

それに相場好きな人間だけが読むわけじゃないないですからね。トレードについてあまり詳しく書くのもどうかと思います。

 

しかし「ビット・トレーダー」は投資家と言うかトレード中の心理描写は結構、ページを割いてあります。個人的にはこの部分は少しくどいかなと思ったぐらいです。

でもデイトレ~短期スイングなら自分以外の相場参加者の心理を読むのは重要ですからね。その部分がそこそこ詳しく描写されているますからね。

短期トレードする人間にとっては参考になる所はあると思います。

特にわしなどはいつまでたっても自販機から株を買うような感覚でトレードしてますからね。自分に欠けているる部分を思い起こさせてもらっただけでも読んで良かったかも知れません。

 

ただ主人公はトレード中に激高したりとかね。結構、感情的になってます。

それ読みながらこんな感情的になる人間やったら普通は負けるやろ、とも思いながら読んでましたw

 

最後に・・

今回は樹林伸先生の経済・相場小説の「ビット・トレーダー」を読んだ感想を記事にしました。一部納得できない部分もありますが、トレードの描写も上手く書けていて面白いと思います。

この手の経済小説が好きな方、我々みたいな短期トレードをやる人間にとっては読む価値ある小説だと思いますけどね。

それと投資家心理の面では自分に欠けている部分が改めて理解出来ました。と言うことで何のかんのと言ってもあれだけの実績のある方が書かれた小説です。

読む価値はあると思いますよ。相場関連の小説の隠れた名作かも知れません。