日経新聞の名物コーナーの1つに私の履歴書がありますね。その時代の功成り名を遂げた経営者の方などが自分の半生を振り返るコラムです。
日経新聞がある限りこれからもずっと続いて行くと思いますが、2020年1月現在は日本証券業協会の会長の方が執筆されています。これが話題になっていますね。
良い方向で話題になるなら良いですがコンプライアンスも何もない滅茶苦茶な内容ですからね。まったく良い年して何を書いているんだか。
さすが大手証券で営業マンとして出世しただけのことはありますね!ですがわしも証券会社の営業マンだったのでいろいろと昔を思い出したのも事実です。
今回はこのおっさんが私の履歴書に書いたことを元にバブル当時のことを振り返ってみたいと思います。
断定的判断の提供の禁止→守る気なし!
絶対とか必ず儲かると言った断定的判断の提供による勧誘・営業は禁止されていますよね。こんなことは証券会社に入社したら最初に取らされる証券外務員試験にも出て来る常識ですわ。それに別に証券業界に限ったことではないですよね。
ですが証券会社のトップセールスともなればこんなことは守っているヤツはいないかも知れません。特に四大証券と言われた当時の大手ならなおさらです。
このおっさんも元大和証券だったそうです。当時はトップの野村證券からはかなり離されてはいましたが業界第二位でしたからね。
ですので野村ほどでないにしても普通に営業していてはノルマがこなせるわけありません。ですのでこんなことはやりまくりでしょう。
ただよくこんなことが書けたなと思います。今も昔も違法行為ですからね。
わしも営業マン時代は「絶対とか必ずとは言えませんが・・」と前置きした上で「かなりの確率で上手く行くと思います」とか「自信があります」とかは言っていました。
自分としてはギリギリセーフかなと当時は思ってましたが今の時代ならアウトでしょうね。
反社会的勢力の方に株式投資を奨める!
今の時代は反社会勢力との取引は禁止ですよね。暴対法が成立してからかなり厳しくなりました。
ですがバブル期はそこまで厳しくはありませんでした。最も90年代に入ってバブル崩壊が始まったら徐々に厳しくなりましたけどね。
いろいろと問題が出て来ましたし、やり放題だった面もありますからね。多少なりとも正しい方向に向いたのだと思います。
ただこのおっさんはヤクザ者に断定的判断の提供をして株式投資をさせたそうですね。まあ全顧客にやっていたんでしょう。
当然ながら大手証券会社の言う通りにやっていては儲かりません。このヤクザ者の方にも損させたようですが、命の危険から切り抜けたとのこと。そりゃ凄いですなあ!
わしがいた会社にも反社会的勢力に属するお客様もいました。直接所属していなくても規模は小さいながら地上げ屋みたいな方とかもね。
わしはおかげ様で?直接担当したことはなかったです。でもご家族の方がそうではないかと思われる方はいましたけどね。
でも同期や後輩は現役バリバリの方を担当してましたからね。でも普通に取引する分には大きなトラブルとかはなかったようです。さすがに気は遣うとは言ってましたが。
ダマテン~顧客に黙って株の商いをする!
顧客に黙って勝手に株の商いをすることをダマテンと言うそうですな。ただわしがいた会社ではこういう言葉は使ってなかったです。
黙って転売するからダマテンだそうですが、大手ではこう言っていたんですかね。そりゃ大手ならこんなこと日常茶飯事でしょう。そうでなきゃノルマがこなせるはずがありません。
ですが日本証券業協会の会長と言う立場でよくこんなことを堂々と書けるなと思います。当然ながら今はもちろん当時でも違法ですからね。
悪いとも何とも思ってないんでしょうな。
わしは自慢じゃないが顧客の口座の金で勝手に商いしたことはないです。ただ投資信託なら許可を得ずに伝票を出したことはあります。
当時は売買報告書とか届くのに少し時間がありましたので、その間にその顧客にセールスしたり注文が取れない時は取り消したりしてました。こういったことも厳密に言えばダメでしょうね。
ただわしがいた会社レベルだとホントの意味で勝手にやってるヤツはそんなにはいなかったと思います。それでも顧客にセールスしてクロージングしてないのに「ありがとうございます!買っておきますね!」とか言って電話をガチャ切りするヤツはいました。
このおっさんも顧客からの取り消しの電話に出ないとか「今から取り消すと大和証券のコンピューターを逆回ししないといけない」とかウソついて諦めさせると言う話を書いてますね。
まあ規模の大小はあっても証券会社の営業マンで成績を上げるヤツはクズ揃いと言うことですね。
最後に・・
今回の私の履歴書は昭和の時代の大手の証券会社がいかにクズだったかがよくわかりますね。
このおっさんは他にもバイクを不法投資した話も書いていたそうですが、「当時は大らかな時代だった」と言う言葉で締めていたそうです。いや~ご立派!まあ彼らに遵法精神とか求めるのが間違っているんでしょうね。
また野村證券のトップセールスだったおっさんが書いた「野村證券第2事業法人部」という本の内容も酷いものです。考えてみれば山一證券が一番まともだったから潰れたのかも知れませんね。
ただ私の履歴書は楽しみにしている方も多いと思います。わしも昔、証券会社の営業マン時代には楽しみにしておりました。もちろん書いている方がどなたかにもよりますけどね。
ただこんなおっさんにこのコーナーを依頼するのは・・
余計なお世話でございますが、しっかりと人選した方が宜しいかと存じます。